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船の「犠牲陽極(ジンク)」とは?海の中で船を守る小さな部品の役割
船を見ていると、目に入るのは船体や操舵室、力強く回るプロペラ。
しかし、そのすぐ近くの海の中で、誰にも気づかれることなく船を守り続けている部品があります。
普段は海中にあるため、決して見ることができません。
それでも、その部品は毎日休むことなく働き続けています。
しかも、その役割は「自分が先に傷むこと」!?
今回は、ブルーライトのメンテナンスで交換した、小さくても重要な部品をご紹介します。
船を守るために、自ら犠牲になる部品
2026年7月に行われたブルーライトのドックでは、舵板周辺の整備とあわせて、犠牲陽極も新しいものへ交換しました。
今回注目するのは、舵板の近くに取り付けられている銀色の部品です。
この部品は「犠牲陽極(ぎせいようきょく)」、通称「ジンク」や「亜鉛板」と呼ばれています。

▲舵板に取り付けられた銀色のパーツが犠牲陽極(ジンク)
「犠牲」という少し珍しい名前には、きちんと理由があります。
海水の中では、金属は少しずつ腐食していきます。
もしプロペラや舵、シャフトといった船を動かすための重要な部品が腐食すると、大掛かりな修理や交換が必要になります。
そこで、このジンクが先に腐食することで、重要な部品を守っています。
いわば、船の身代わりです。
役目を果たすほど、小さくなっていく
ジンクは、役目を果たすほど少しずつ溶けていきます。
つまり、この部品は長持ちすることが目的ではありません。
自分が消耗することで、船を守る。
それこそが、この部品に与えられた役割です。
「犠牲陽極」という名前も、この“身代わりに犠牲になる”性質から来ています。
この小さな部品があるからこそ、プロペラや舵は長く安全に使い続けることができます。
犠牲陽極の材料には他にアルミニウムやマグネシウムもありますが、海水中では主に亜鉛が使われます。
おわりに
普段は見えない海の中で、誰にも知られることなく役目を果たしている部品があります。
船の仕事を支えるものは、大きなエンジンやプロペラだけではない──そんなことに気付かされたドックでした。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。





