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2024年10月01日 [横浜の通船・ラインボート ]
【強風対策】リーサイドを活用したパイロット送迎の安全確保
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださりありがとうございます。
東京湾の北西側に位置し、風向、風力、潮流等、年間を通じて海況が安定しているといわれる横浜港。自然条件によって制限されることが少なく、安定した港湾運営を叶えてきました。しかし、横浜港でも高波に見舞われることがあります。今回は船舶からの映像とともに、強風時の安全対策についてご紹介します。
穏やかな横浜港、強風の理由は?
いつも穏やかな横浜港でも強風に見舞われるときがあります。その理由の一つは、風向き。
東京湾は北東から南西方向に向けて、約70キロの長さがあります。東京から房総半島沖まで、縦に長い地形です。そのため、北東の風が吹くと、東京側から横浜の海にだんだんと波が押し寄せ、波が増幅される傾向にあります。逆に北西の風の場合は風速が強くても海面は穏やかなことが多いです。
強風時のパイロット送迎!どうやって安全を確保する?
ここからは強風時のパイロット送迎を例に、紹介していきます。
この日は本船に乗船中のパイロットさんを下船させるため、本船の錨地へと向かいました。北東13メートルの風が吹いています。気象庁によると、風速10メートル以上15メートル未満は『やや強い風』と位置付けられています。海上では、波の大きいものができはじめる、いたるところで白く泡だった波がしらの範囲がいっそう広くなるという状況です。地上では大きな枝が揺れ動き、傘が差しにくくなる段階となります。写真で見ても、周囲の海面に白波が立ち、船が左右に揺られていることがわかります。▲気象庁提供
そんな強風のなか、海上の大型船(本船)から海の安全を守るパイロットさんが下船してきます。今回の場合、パイロットさんは大型船のハシゴを使って、送迎に向かったパイロットボートへと移乗します。高波を受ける状況で、どのように安全を確保すると思いますか?
対策@大きな船が盾になる
まず一つ目の対策は、大型船(本船)が盾となって風下を作ってもらうこと。写真を見比べると、本船が強風を遮り、風下には白波が立っていないことがわかります。風下になった左舷側にパイロットボートが接近し、パイロットさんを安全に下船させます。
対策A他船のサポートを受ける
次に、他船がサポートして風下を作ること。本線が錨地にアンカーを下ろすと、そこを起点として船が回転してしまいます。すると、再び波の影響を受けてしまいます。その回避策として、この日の送迎時は自船の隣で2軸船2隻がサポートしていました。
おわりに
船舶用語では、風下側のことをリーサイドといいます。今回は大型船の左舷側がリーサイドとなり、パイロットさんの送迎にあたりました。
風下を作ったり、他船がサポートしたり・・・と様々な工夫をして、安全確保に努めています。また、ポートサービスでは水上での安全対策を徹底し、迅速かつ適切な対応を心掛けています。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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