2025年11月04日 [横浜の通船・ラインボート ]
【国際信号旗】船の“言葉”を旗で伝える世界共通の通信手段
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
港や海の上で、カラフルな旗を掲げている船を見かけたことはありませんか?
一見すると飾りのように見えるその旗には、大切な「メッセージ」が込められています。
今回は、世界共通の通信手段「国際信号旗」についてご紹介します。
▲パイロット旗「H」を掲げて出航していく船船の共通言語「国際信号旗」とは?
電波や通信機器がなかった時代、船同士で情報をやり取りするために“旗”が使われてきました。
これが「国際信号旗」と呼ばれる、世界共通の通信手段です。
国際信号旗は、アルファベット26枚・数字旗10枚・代表旗3枚・回答旗1枚の合計40枚でできています。

▲国際信号旗の種類旗には単独で意味を持つものもあれば、組み合わせて使うものもあります。
たとえば――
A旗(アルファ):「潜水夫がいる。近づくな」
B旗(ブラボー):「危険物を積載中」
O旗(オスカー):「人が海に落ちた」
U旗(ユニフォーム):「あなたの進路は危険に向かっている」
さらに、2枚や3枚の組み合わせでメッセージを伝えることもあります。
たとえば「UW」は「安全な航海をお祈りします」という意味です。
国際信号旗は、遭難信号や航行の意図表示、挨拶やお祝いなど、さまざまなやり取りに使われています。
▲手前:上U旗 下W旗H旗(赤と白の縦二分割)
港に出入りする大型船は、必ずパイロット(水先案内人)を乗せて安全に航行します。
その目印となるのがH旗で、港湾関係者にとっては“パイロット船の証”とも言える存在です。ポートサービスのボートも、パイロットを大型船に送迎する際に、「この船にはパイロット(水先案内人)が乗船中である」の意味を持つH旗を掲げています。(冒頭の写真参照)
N旗(青と白の格子柄)
一方、N旗は「いいえ」や「否定」の意味を持つ信号旗ですが、
係留時や停泊場所の目印として使われることがあります。
▲本船が停泊する目印として岸壁にN旗が掲げられる特別な日に掲げる「満船飾(まんせんしょく)」
祝祭日や進水式などの特別な日には、船全体を彩る満船飾(まんせんしょく)が行われます。
風を受けてたなびく色とりどりの旗は、港の雰囲気を一気に華やかにしてくれます。

おわりに
船の旗は、見た目の美しさだけでなく、安全運航とコミュニケーションを支える大切な役割を持っています。次に港で船を見かけたら、どんな旗が掲げられているか、ぜひ注目してみてください☺️
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ポートサービスの公式アカウントでは交通船や横浜の魅力を発信中!
💁♀️ブログ
💁♀️YouTube
参考文献
国際信号旗 Wikipedia
かいほ118クラブ
イラスト引用元 イラストAC
写真引用元 写真AC



