[横浜の通船・ラインボート ]
2026年09月29日
東京湾で海中転落者救助訓練|水先艇「アルタイル」が参加
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
先日、東京湾水先区水先人会様主催による海中転落者救助訓練が実施されました。
海中転落者救助訓練は、水先案内人などが万一海中に転落した場合に備え、実際の救助を想定して救助方法や設備の有効性、関係者の連携を確認するための訓練です。
今回、ポートサービスからは水先艇「アルタイル」が訓練に参加しました。当日の訓練では、どのような救助が行われたのか、その様子をご紹介します。
▲「按針101」より撮影、左から「すずかぜ」「春日丸」「アルタイル」「東京」
実際に海へ飛び込んで訓練
今回は、特別に新協和海運株式会社様が運航する水先艇「安針101」に乗船し、海上から訓練を見学・撮影しました。
当日は気温27.7℃、水温25℃、風は東2〜3m/s、波高約15cmと、比較的穏やかな海象でした。
参加したのは、タグボート「すずかぜ」「東京」「春日丸」と、水先艇「安針101」「アルタイル」の5隻。
▲今回乗船した按針101
落水者役を務める水先案内人は、普段と同じ着衣や荷物、救命胴衣を身につけて海へ。
救命胴衣の展張状況や浮遊状態を確認したあと、救命浮環の投入、リュックの回収、落水者の揚収まで、実際の救助を想定して一連の動きを確認しました。
飛び込む直前には、
「かっこよく撮ってほしいな」
なんて冗談も飛び出し、現場は意外にも和やかな雰囲気。
また、訓練中も落水者役から「水温、意外といけるな」なんて声が聞こえてきました。
船上から訓練の様子を見守っていた見学者や救助者にとっても、落水者役の声が聞こえることで無事が確認でき、少しほっとするような感覚がありました。
万が一、落水事故が起きた場合も、声を掛け合うことが大切なのかもしれないと感じる場面でした。
▲落水時に水を感知して自動膨脹装置が作動し、救命胴衣の気室が展張する。
▲的確な位置に救命浮環を投げ込む。「事前に練習した」とのこと。
やってみて分かる、現場の難しさ
訓練後には反省会が行われ、実際にやってみて分かったことや、気になった点について意見が交わされました。
たとえば、手動式揚収装置を使う際の体力的な負担や、船の形状によってはフェンダーなどを避けながら、落水者を安全に揚収装置まで誘導する難しさ。
救命胴衣についても、指揮側からは「問題なく展張した」という確認がある一方、実際に着用して飛び込んだ側からは「開くまでに時間がかかった」という声がありました。
救命浮環も、投げ入れる位置や距離、海況によっては落水者まで届きにくいことがあります。
──実際にやってみるからこそ分かること。
それを参加者同士で共有できることも、訓練の大切な役割です。
▲船尾の揚収装置で救助
▲按針101の船尾式揚収装置
▲訓練を終えたアルタイルから転落者役の水先案内人がすずかぜに移乗
おわりに
海の状況は、そのときによって変わります。
穏やかな海では問題なくできたことも、風や波が強くなれば難しくなるかもしれません。
だからこそ、装備を備えるだけでなく、実際に使ってみること。そして、そこで分かったことを共有し、次の安全につなげていくことが大切です。
ポートサービスでは、こうした訓練への参加や現場での検証を通じて、安全運航と安全意識の向上に取り組んでまいります。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
過去の訓練の様子は、YouTube Shortsでもご覧いただけます。
▶ 海中転落者救助訓練の様子をYouTube Shortsで見る
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