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2025年07月15日 [横浜の通船・ラインボート ]
夏の海が赤く濁るのはなぜ?大桟橋で見た「赤潮」の正体と発生のしくみ
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
今年もジリジリと暑い夏がやってきました。夏といえば海、そして海といえば青…と言いたいところですが、ある日の大桟橋では、海面が赤茶色に濁る現象が見られました💦
これは「赤潮」と呼ばれる自然現象で、毎年この時期によく発生しています。
今回は、そんな赤潮のしくみや発生の理由を、実際に撮影した写真と共にご紹介します📷

赤潮ってなに?どうして海が赤くなるの?
「海の色は?」と聞かれたら、多くの人が「青」と答えると思います。これは太陽光の性質と水の特徴によるものです。青い光は波長が短いため、水中の粒子によって散乱されやすく、この散乱した青い光が私たちの目に届くことで海が青く見えます。
では、そんな青い海が”赤く”見えるのはなぜでしょうか?
それは、植物プランクトンが大量に増殖することで、海水の色が変化するからです。
さらに、プランクトンの中には赤や茶色の色素を持っている種類もあり、それらが集まることで、海全体が赤っぽく見えることがあります。これが赤潮になると海が赤く見える理由です。

なぜ夏に赤潮が増えるの?
赤潮が夏によく発生するのには、いくつかの理由があります。
まず、水温の上昇。夏になると海水が温かくなり、植物プランクトンが活発に増殖しやすくなります。さらに、晴天が続くことで太陽の光がたっぷり届き、プランクトンの成長をさらに後押しします。
そして、もうひとつ大きな要因が、栄養の流入です。
農地や家庭、工場などから川を通じて流れ込む窒素やリンなどの栄養分が、プランクトンのエサとなり、爆発的な増殖を引き起こすことがあります。
このような環境が重なると、赤潮が発生しやすくなります。
赤潮が海の生き物に与える影響
赤潮は見た目が変わるだけではありません。海の生き物にとっても、さまざまな影響を及ぼします。
・魚のエラにプランクトンが詰まり、呼吸ができなくなる
・プランクトンの呼吸によって海中の酸素が減り、魚や貝が酸欠状態になる
その結果、魚が大量に死んでしまうこともあります。

おわりに
赤潮は、夏の海でときどき見られる自然現象ですが、その背景には海の環境や人間の暮らしが大きく関わっています。いつもと少し違う海の色をきっかけに、海の環境や変化に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
海の色については過去のブログでも紹介しているので、下のリンクからぜひご参照ください。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
▼関連ブログ▼
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参考文献
赤潮の全貌:原因・影響・対策を知ろう
赤潮 - Wikipedia
東京湾の赤潮について|東京都環境局