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2025年11月11日 [横浜の通船・ラインボート ]
【小型船舶】船体の穴や擦れを補修!FRP船の修理事例
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
船を安全に、そして長く使い続けるためには、日々の細やかな手入れが欠かせません。
今回は通船や大型船の係留作業の現場で活躍しているブルーライトの補修作業の様子をお届けします。

FRP(繊維強化プラスチック)について
ポートサービスで活躍している船は、FRPという素材で作られているものがほとんどです。FRPとは、Fiberglass Reinforced Plasticの略で、ガラス繊維を強化材とし、樹脂を基材とした複合材料です。軽量で高い強度を持ち、鉄のように錆びたり、木材のように腐ることがありません。この特性から船舶、自動車、建築など多くの分野で利用されています。身近なものでいうと、お風呂の浴槽や車のバンパーなどにも用いられています。
今回使用した材料
今回はFRP製のブルーライトに開いた穴や傷に、樹脂やタルクを混合した補修材を塗り重ねて補修していきます。
1. タルク(粉末)
タルクは、滑らかな仕上がりを提供し、樹脂の粘度を調整するために使用されます。補修時に樹脂と混ぜることで、強度を向上させる効果があります。
2. 硬化剤
硬化剤は、樹脂を化学反応によって硬化させるための材料です。ポリウレタンやエポキシ樹脂用のものが一般的です。
※ 使用方法によっては発火の恐れがあります。各材料の使用方法については、製品の仕様を確認し、適切な安全対策(手袋、換気など)を講じて作業を行うことが重要です。
3. 樹脂
FRPの補修に使用される樹脂は、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂が一般的で、高い強度を持つことが特徴です。
補修手順
混合した樹脂を補修箇所に塗布し、適切な時間を置いて硬化させます。固まったら、表面をサンディングして平滑にし、必要に応じて塗装を行います。
主な修理箇所は、船首の穴が開いた場所です。ここは、防舷材のタイヤが取り付けられており、タイヤを繋ぐチェーンが船体と擦れるため、ダメージを受けやすい部分です。
▲一番ダメージが大きい船首の穴を埋める本格的な補修作業はドックで上架した上で、タイヤを外して行われます。今回のように、軽度の修理は船員自ら行います。日常的にメンテナンスを行うことで、船の寿命を延ばし、安全な運航を実現します。
▲「作業を重ねるごとに愛着が湧く」と話してくれた船長
▲本船との接触で擦れてしまった箇所も補修していくおわりに
FRPは「軽くて強く、そして修理がしやすい」素材です。
今回のように小さな傷や凹みも、船員自ら日常の中で補修を行うことで、船を長く、安全に使い続けることができます。
これからも、日々の点検と手入れを重ねながら、安全運航を続けてまいります。今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
▲FRP船の造船過程はこちらの動画をご覧ください💁♀️
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