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2026年01月27日 [横浜の通船・ラインボート ]
【小型船舶】船にも”車検”がある?|交通船「鳥海」の船検で見る確認ポイント
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
突然ですが、船にも車検のような検査があるってご存知ですか?
その名も──船検。
今回は、1月に行われた交通船「鳥海」の船検の様子をレポートしていきたいと思います。
船検(船舶検査)とは?
「船検(船舶検査)」とは、船が安全に航行できる状態にあるかを国が確認するための、法律で定められた検査です。
自動車でいう車検にあたるもので、定期検査や中間検査などが設けられています。
検査に合格すると、船舶検査証書などの書類が交付され、ライフジャケットや笛といった法定備品を適切に備えたうえで、有効期間内に航行することが義務付けられます。
小型船舶(総トン数20トン未満)の場合は、日本小型船舶検査機構(JCI)が国の代行機関として検査を実施しています。
今回の検査では、日本小型船舶検査機構(JCI)の検査員の方にお越しいただき、船長立ち合いのもと、細かな項目までしっかり確認していただきました。
灯火の確認|「見える」ことは安全の基本
まず行われたのは、灯火類のチェックです。
マスト灯などの灯火が、
✅正しく点灯するか
✅明るさや角度に問題がないか
検査員の合図に合わせて実際に点灯させ、目視による確認が行われます。
夜間航行や視界不良時、灯火は他船に自船の存在を知らせる重要な装備。一つひとつ確認する工程が欠かせません。
エンジンチェック|「問題なく動く」ことの確認
続いて行われたのは、エンジンの動作確認です。
エンジンを始動し、
✅正常に作動するか
✅異音や異常な振動がないか
✅急発進するような挙動がないか
といった点をチェックしていきます。
▲ 検査員の方からは「この部分がちゃんと動いているかを見ています」と、実際の確認ポイントも教えていただきました。
法定備品の確認|数だけでなく「期限」も重要
次は、法定備品の確認です。
・黒球
・信号紅炎
・消火器 など
船に搭載が義務付けられている備品が、正しい数そろっているか、使用期限が切れていないかを一つずつ確認していきます。
特に消火器や煙火は、「積んでいればOK」ではありません。いざという時に確実に使える状態かどうかが重要です。
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救命胴衣の確認|「人数分あるか」は大前提
小型船舶では、最大搭載人員分の救命胴衣を備えることが義務付けられています。
港湾作業にあたる作業員や関係者を乗せて、日々大活躍の鳥海。
ポートサービスの交通船の中でも、定員(旅客人員)43名と最大です。
この小さな船のどこに、43着もの救命胴衣が収納されていると思いますか?
答えは、2枚目の写真です。
▲この操舵室の中のどこに43着もの救命胴衣が…?
▲ 横長のベンチの背もたれを開けると、中には救命胴衣がぎっしり。
これらの救命胴衣も、
・安全基準に適合しているか
・劣化や破損がないか
を、一着ずつ目視でチェックしていきます。
お客様の安全を守る!船の法定備品【ライフジャケット編】
▲ 桜マークは、安全基準を満たしている証です。
番外編|思いがけない発見。船体を活かした収納スペース
検査の途中、思いがけない発見もありました。
鳥海では、船体の形状を無駄なく活かした収納スペースが設けられています。
船首側では、操舵席の足元にある扉を開けると、普段は見えない船体内部がそのまま姿を現します。
船首の形に沿って奥行きのある空間が広がっており、収納スペースとしてもしっかり活用されていました。
また、横長のベンチは、
✅座面を外して上から取り出す
✅足元の引き出しから取り出す
✅背もたれの後ろ側にも広い収納
という、非常に効率的な作り。
こうした構造も、検査を通して改めて知ることができました。
おわりに
今回ご紹介した検査項目以外にも、汽笛の鳴動や各種設備の状態確認など、船検では50項目以上の検査が行われています。(※検査員談)
普段はなかなか目にすることのない船検の裏側ですが、こうした定期的な点検と確認の積み重ねが、日々の安全運航につながっています。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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参考文献
日本小型船舶検査機構(JCI)
※船検(船舶検査)は、船舶の大きさや用途、旅客定員などの条件によって、検査の種類や受検時期が異なります。ご自身の船に必要な検査については、必ずJCIや最寄りの海事事務所などの公式情報をご確認ください。




