BLOG

2025年05月20日 [横浜の通船・ラインボート ]

大潮で船が“消えた”?写真で解説!満潮・干潮の仕組み

はじめに


いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
つい先日、大桟橋営業所では不思議なことが起きていました。いつも同じ場所に係留されているはずの鳥海の姿が見えなかったのです。なぜだと思いますか?

それは、潮の満ち引きの影響で桟橋の下に鳥海が隠れてしまったから!

この日は、大潮と呼ばれる潮の満ち引きの差が最も大きくなる日でした。そんなわけで今回は、潮の満ち引きの仕組みとその中でも特にダイナミックな変化を見せてくれる“大潮”について、紹介したいと思います。
橋脚丸見え 大潮▲潮位が下がって桟橋の橋脚が丸見えに!桟橋の向こうに見えるのは…?


潮の満ち引きはなぜ起きるの?


潮の満ち引きは、月や太陽の引力によって海の水が動かされることで起こる自然現象です。
特に月の引力が大きく影響しており、地球と月の位置関係によって、海の水は周期的に高くなったり低くなったりします。このリズムが、私たちが目にする「満潮」や「干潮」です。

満潮は、海水面が高くなる状態。干潮はその逆で、海水面が低くなる状態です。実はこの満ち引き、1日に2回ずつあるのが一般的です。
1日の中でこんなにも変化しているなんて、ちょっと驚きですよね。
新月満月

「大潮」ってどんな日?


では、冒頭で紹介した「大潮」とはどのような日なのでしょうか?
これは、潮の満ち引きの差が最も大きくなるタイミングのことを指します。大潮の原因は月と太陽の引力が重なって、海水を強く引っぱるためです。特に、月と太陽と地球が一直線に並ぶ新月や満月のときに起こりやすいとされています。

このとき、月と太陽の引力が合わさることで、海の水がより大きく動きます。その結果、満潮時には水位がより高く、干潮時には水位がより低くなります。今回、鳥海が桟橋の下に隠れてしまったのも、まさにこの大潮のタイミングだったからなのですね。
(冒頭の写真参照:桟橋の向こう側に鳥海が隠れています)

ちなみに、月と太陽が直角の位置関係になる半月(上弦・下弦)のときは、引っぱる力が打ち消し合うため、干満の差が小さい小潮となります。
月の満ち欠け

潮位ってなに?マイナスになるってどういうこと?


潮位とは、海面の高さのことです。でも、どこを基準に「高い・低い」と決めているのでしょうか?

実は、海の高さには基準となる“ゼロ地点”があります。これを潮位の基準面といって、日本では平均海面などをもとに各港で定められています。横浜にももちろん、独自の基準面があります。

では、写真が撮影された5月1日を例に見ていきましょう。気象庁のデータでは、5月1日の干潮時、横浜の潮位は『-1』と予測されていました。この数字は何を意味するのでしょうか?
データマーク付き

答えは、「海面がふだんの基準よりも1cm低くなっている」ということを表しています。
つまり、5月1日の横浜では、大潮の影響で干潮時に「基準面よりも低い」=「海面がかなり下がっていた」というわけです。

-1pというと大きな変化はないように感じるかもしれませんが(編集Yもそう思ってました😅)実際の干潮時は、海面がグッと下がったことで船の姿が桟橋に隠れてしまうほどでした。海底も丸見えの状態で、自然の神秘を身近に感じられる1日でした。比較▲鳥海が隠れてしまうほど潮位が下がった大桟橋周辺

おわりに


今回は大潮の日ならではの出来事をきっかけに、潮の満ち引きの仕組みをご紹介しました。潮位の変化は、私たちの暮らしにも案外身近です。たとえば春の風物詩の潮干狩りは、干潮の時間を狙うと楽しめますし、橋の下を通るクルーズでは、船の運航スケジュールに注意が必要だったりします。
海へのお出かけの前は、潮の時間もぜひチェックしてみてくださいね。今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

ポートサービスの公式アカウントでは交通船や横浜の魅力を発信中!
💁‍♀️Instagram
💁‍♀️ブログ
💁‍♀️YouTube

参考文献
気象庁 潮汐・海面水位のデータ
気象庁 潮汐の仕組み

ブログ記事一覧

PageTop

MENU
  • 株式会社ポートサービス
  • 横浜市中区海岸通1-1 大桟橋総合ビル
  • TEL.045-201-7007