BLOG

2025年08月12日 [横浜の通船・ラインボート ]

【動画でわかる】港で活躍する“はたらく船”たち!種類と役割をやさしく解説 

はじめに


いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
船には、「人やモノを運ぶ」だけじゃない、いろいろな役割を持った“はたらく船”がたくさんあります。
しかも、それぞれが違う目的を持ち、港の中で連携しながら毎日働いています。
今回のブログでは、そんな“はたらく船”を図鑑のようにわかりやすく紹介していきます。
「この船はこんなことをしていたんだ!」という新しい発見のお手伝いができれば幸いです。それでは、はたらく船の世界へ、出航です!
はたらく船

バラ積み船


石炭や木材チップ、トウモロコシなど、袋に入れずにそのまま大量の荷物を運ぶ大型船です。
“バラ積み”という名前は、このむき出しの積み方から来ています。
荷物がコンテナに入っていないので、船の中の「ホールド(貨物倉)」と呼ばれる大きな空間に、直接積み込まれます。そして、巨大なクレーンや、船に装備されたバケットやベルトコンベアで荷物をすくい取るように下ろします。

積載量は数万トン〜20万トン級のものまであり、海の上をゆっくりどっしり進む姿は、まるで”動く倉庫”のようです。


▲太い係留ロープが船の大きさを物語っています。

自動車運搬船


自動車運搬船は、トラックや乗用車などの自動車を専門に運ぶための貨物船です。船の中はフロアが何層にも分かれていて、まるで”巨大な立体駐車場”のような構造になっています。

船尾(うしろ)や側面には、車両が乗り降りするための大きなスロープ(ランプウェイ)がついており、車はクレーンではなく、自走して積み込みます。運転して船に乗り込む方法をRoll-On/Roll-Off(ロールオン・ロールオフ)方式といい、RORO船(ローロー船)とも呼ばれます。

他の船と比べて、側面がまっすぐ・四角く、背が高いのが特徴。風の影響を受けやすく、過去には目標位置から大きくずれて入港したこともありました。



LPG船


LPGとはLiquefied Petroleum Gas(液化石油ガス)の略で、家庭のガスコンロや給湯器、自動車の燃料、工場の熱源など、私たちの暮らしに欠かせないエネルギー源です。そのガスを海外から輸出入し、大量に運ぶために設計されたのが「LPG船」です。

ガスはそのままでは体積が大きすぎて運ぶのに適しません。そこで、冷却して圧力をかけることで液体に変え、専用のタンクに詰めて輸送します。そのため、LPG船はまるで“巨大なタンクがのった船”のような見た目をしています。



コンテナ船


四角いコンテナをたくさん積み上げて運ぶコンテナ船は、世界中の貨物を効率的に運ぶ”海の宅配便”。電化製品、衣料品、食料品など、日常に欠かせないあらゆるモノが、コンテナに詰められて世界中へ輸送されます。

世界最大級のコンテナ船は、約20,000個のコンテナを積むことができます。
これを地上の貨物列車で運ぶと、1本あたり50個のコンテナを積める列車が約400本(全長200km)必要になります。

港に着くと、ガントリークレーンと呼ばれる大きなクレーンで荷物が積み下ろされます。
横浜港は、日本でも有数の国際貿易港。一日に何十隻ものコンテナ船が世界中から訪れ、海外との物流を支えています。



ケーブル敷設船


ケーブル敷設船は、光海底ケーブルの新設や損傷時の補修に対応する専用船です。
光ファイバーを使ったインターネットや国際通信、洋上風力発電の送電など、現代社会のインフラを海底から支える“縁の下の力持ち”です。

船には大きなケーブルを巻き取る大きな装置があり、そこから長い電線が少しずつ海に送り出されます。


▲着岸時には船の周りに強い水流が巻き起こる

給油船


給油船とは、港に停泊している大型船に燃料を補給するための船のことです。
洋上で他の船舶に燃料を補給する、いわば“海の上のガソリンスタンド”。
安全第一で、船どうしをぴったりと並べて給油します。

ホースを繋いで燃料を送り込むことをバンカリングといい、燃料船はバンカーバージとも呼ばれます。動画では、給油船と客船を接舷する様子をお届けしています。
※“バージ”は自走しない艀(はしけ)のことで、タグボートに曳かれて動くものもあります



パイロットボート


パイロットボートは、港の航路やルールに詳しい「水先人(パイロット)」を大型船に乗せたり、下ろしたりするための船です。
パイロットは、船長に代わってその港の案内役をつとめるプロフェッショナル。

大型船が港に近づいてくるタイミングに合わせて、パイロットを送り届ける「直行」と呼ばれる場面では、どちらの船も動いたまま接舷することがあり、高度な操船技術が求められます。



タグボート


タグボートは、小型ながらとてもパワフルな船。
大型船が港で方向転換したり、岸に寄せたりする時に、押したり引いたりしてサポートします。
広い海では自由に動ける大きな船も、狭い港の中では思うように動けません。そんなとき、タグボートが頼れるパートナーとして活躍します。

たとえば、タグボートが大型船の船体を押して動かし、ポートサービスの小型船舶(ボート)がロープを受け取る「つなとり作業」を行うことも。
また、タグボートが“風除け”になって小型船舶の揺れを抑えたり、パイロットや船員の乗下船時に横付けして移乗のサポートをしたりするなど、大型船にとっても小型船にとっても、頼れる存在です。



おわりに


今回紹介した「はたらく船」たちは、それぞれ専門的な役割を持ちながら、港の物流や交通、インフラを支えています。でも実は、こうした大型船が安全に港を出入りし、その役割を果たすためには、見えないところでサポートしている小さな船の活躍も欠かせません。

私たちポートサービスは、小型船舶(ボート)の運航を通じて、大型船の離着岸に欠かせないつなとり作業や、人員輸送などを行っています。港に関わる多くの人と船の“橋渡し”となれるよう、これからも尽力してまいります。

もし港を訪れる機会があったら、大きな船の周りで活躍している小さな船にも注目してみてください☺️今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


▲今回のブログに登場した船舶はこちらからご覧いただけます!

ポートサービスの公式アカウントでは交通船や横浜の魅力を発信中!

💁‍♀️Instagram
💁‍♀️ブログ
💁‍♀️YouTube


ブログ記事一覧

PageTop

MENU
  • 株式会社ポートサービス
  • 横浜市中区海岸通1-1 大桟橋総合ビル
  • TEL.045-201-7007