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2024年09月24日 [横浜の通船・ラインボート ]
【潮の満ち引き】潮位の変化と自然の力〜魚が一番釣れるのは?〜
はじめに
夏の終わりから秋にかけて、潮位の変動が最も大きくなる時期を迎えます。ポートサービスの交通船が係留されている大桟橋でも、一日に大きな潮位の変化が観測されます。そんなわけで今回は、興味深い潮の満ち引きについて紹介していきます。
潮位の変化
横浜港は東京湾中央部の西側に位置し、潮流の変化や風の影響が少ない穏やかな海面です。しかし、高潮と台風が重なった際など、大きな自然災害を発生させることががあります。潮位の変化を理解することは、その影響を把握するために重要です。
潮汐の基礎知識
潮汐は、月と太陽の引力によって海面が周期的に変動する現象です。月は地球の周りを回っており、その引力が海水を引っ張ります。これにより、月の位置に最も近い側の海面が上昇します。また、地球が自転することによって、海面の変動が周期的に発生し、通常、1日に2回の満潮と干潮のサイクルがあります。特に影響が大きいのは以下の時期です。
大潮
月と太陽が一直線上に位置し、潮の干満差が最も大きくなる
中潮
大潮と小潮の中間に位置し、潮の動きが次第に活発化する
小潮
月と太陽が直角に位置する時期で、潮の干満差が最も小さくなる
長潮
小潮が終わり、潮の干満差がさらに小さくなる期間
若潮
小潮の終わりから大潮に向けて潮の干満差が大きくなっていく状態
自然の不思議 渦潮とは
潮の満ち引きは、時に興味深い現象を生み出します。それが渦潮。渦潮は潮の干満差が大きく、潮流が速い場所で発生しやすい現象です。海水が渦を巻いて激しく流れることで知られ、川やダムの下など、流れが激しい場所でも見られます。
鳴門の渦潮
渦潮といえば、日本では鳴門の渦潮が有名です。徳島県鳴門市と兵庫県南あわじ市の間に位置する鳴門海峡で発生する渦潮です。春の大潮のときに最大の大きさとなり、直径は20 mにもなります。遊覧船や展望スペースから渦潮を眺めることができ、人気の観光地となっています。
サルツトラウメ(ノルウェー)
幅150mの海峡で、日4回渦潮が発生します。流速は40km/hにも及び、世界で最も強い渦潮と言われています。新月や満月の日に強力な潮流が生じ、水流はクリーム色に白濁するほどです。この海峡は、サルト・フィヨルドの外側とその延長であるシエールスター・フィヨルドを接続し、この2つのフィヨルドの水面差を無くすために渦潮が起こっていると考えられています。
フィヨルド:氷河による浸食作用によって形成された複雑な地形の湾・入江のこと。
モスクストラウメン
モスクストラウメンはノルウェーのロフォーテン諸島沖で発生する渦潮で、潮の速さは32 km/hにもなります。世界で2番目に強い渦潮として知られています。
コリヴレカン海峡
コリヴレカン海峡はスコットランドのジュラ島とスカバ島の間にあり、9m以上の高波を引き起こします。この海峡の渦潮は世界で3番目に大きく、轟音は16km先まで届くそうです。イギリス海軍が一時「航行不可能」と認めるほどでした。 ▲wikipediaより コリヴレカン海峡の渦潮 Walter Baxter, CC 表示-継承 2.0, リンクによる
船舶が安全に航行するには
このような潮汐や潮流の変化が大きい場所では、どのように船舶は航行しているのでしょうか?
船長や航海士は、潮流予測を活用して航行プランを緻密に立てます。潮流が強い場所では、一日の中でも潮流の変化が緩やかになるタイミングに合わせて通過することが大切です。近年では自動操船システムの進化により、潮流の影響をリアルタイムで分析しながら最適な操船ができるようになりました。また、潮流が速い港では、潮が弱まるタイミングを見計らって慎重に接岸し、タグボートなどの支援を受けるのが一般的です。
おわりに
さて、世界の壮大な渦潮も興味深かったですが、潮の満ち引きは身近なレジャーである釣りにも大きく関係しています。前述した潮汐の種類の中で、最も魚が釣れるのはいつだと思いますか?
それは、大潮。干満差が大きくなる大潮では、大きく潮が動くことにより、小さいプランクトンが運ばれてきます。その小さいプランクトンを小型の魚が食べ、その魚を大きな魚が食べるサイクルが出来上がるため、魚の活性が上がるというワケです。新月や満月の前後数日に発生する大潮は、魚を釣りたい方にはおすすめの時期になります。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。次回のブログもお楽しみに🎵
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