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2025年07月01日 [横浜の通船・ラインボート ]
船の“舵を動かす心臓部”を守る―操舵装置の台座メンテナンス
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
今回は、交通船「ブルーライト」の“舵を動かす心臓部”――操舵装置の台座部分の塗装メンテナンスの様子をお届けします。普段は立ち入ることのない舵機室の中へ、潜入してみましょう!

舵軸の役割とは?
今回メンテナンスを行ったのは、舵軸を支える台座部分。船を右や左に曲げる「舵(ラダー)」は、操舵室からの操作で動きます。その力を伝えているのが「舵軸(ラダーストック)」という垂直な金属製の回転軸です。

ここが劣化すると、舵の動きが正確に伝わらなくなるリスクがあるため、定期的な防錆処理と塗装によるメンテナンスが不可欠です。
塩分と湿気の脅威、静止中にしか作業できない理由とは
操舵装置の基部は、航行中に海水や湿気の影響を受けやすく、金属部分にサビが発生しやすい場所です。また、軸が動くと海水が内部に侵入するおそれもあるため、塗装は船が完全に停止しているタイミングでなければ実施できません。
今回も、運航の合間を縫って、安全を確保した上で作業を行いました。
気温33度!サウナ状態の舵機室での作業
この日の気温は33度。作業を行った舵機室は、ブルーライトのデッキ下に位置します。ハッチを開けた状態での作業とはいえ、舵機室の内部には熱がこもり、体感温度は真夏以上!まるでサウナのような状況の中で作業が進められました。


塗装作業のステップ
今回の工程では、古い塗料やサビの除去作業はすでに完了しており、新たに錆止め塗料を丁寧に塗布しました。この防錆塗料がしっかりと乾燥するまでに約8時間を要するため、この日の作業はここで一旦終了。
後日、仕上げとして黒色の上塗り塗装を施し、周辺の部材も緑色に塗装することで、美観と防錆性能の向上を図りました。下の写真は、作業前と作業後の比較です。錆びついていた部位が、見違えるように綺麗になりました。

おわりに
舵軸の台座は普段は目に触れることのない場所ですが、船の安全な運航を支える要として重要な役割を担っています。
こうしたメンテナンスの積み重ねが、日々の安全運航を支えています。株式会社ポートサービスでは、これからも一つ一つの作業に真摯に向き合い、お客様に大きな安心と信頼をご提供できるよう努めてまいります。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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参考文献
だじく【舵軸】web版ヨット/モーターボート用語集