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船はどこまで海に沈んでいる?『喫水』と『バラスト水』の関係
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
前回は「船はなぜ倒れないの?」という、船の安定のしくみをご紹介しました。
今回は少し視点を変えて、「船はどこまで海に沈んでいるの?」というお話です。
大型船を見ていると、船体の下のほうは海の中に隠れています。実はあの“沈み具合”、いつも同じではないんです。
「喫水」ってなに?
船が水に浮かんでいるとき、水面から船底までの深さを「喫水(きっすい)」といいます。
この喫水は、同じ船でも変わります。荷物をたくさん積めば船は深く沈み、喫水は大きくなります。反対に、荷物を降ろせば船は浮き上がり、喫水は小さくなります。
身近なもので例えるなら、お風呂に浮かべた洗面器。中にものを入れると少し沈み、取り出すとぷかっと浮かび上がる──。大きな船も、基本は同じです。
船の「沈み具合」はなぜ大切?
荷物を満載した大型船は、喫水が10mを超えることもあります。港や航路の水深が足りなければ、船底が海底に当たってしまうため、入港できません。
また、船は沈みすぎても危険です。そのため、積んでよい量には上限があり、船体には「満載喫水線」という目印が描かれています。満載喫水線については、こちらのブログで詳しくご紹介しています。
では、反対に荷物を降ろして船が軽くなったら、どうするのでしょうか?
荷物を降ろしたら、海水を積む?
ここで登場するのが「バラスト水」です。
バラストとは、船の状態を調整するための重りのこと。大型船では、海水をこの重りとして使い、それをバラスト水と呼びます。
前回は「船を安定させる重り」としてご紹介しましたが、バラスト水にはもうひとつ、船の沈み具合を調整するという役割があります。
荷物を降ろして空っぽになった大型船は、そのままだと浮き上がりすぎてしまいます。すると…
- ✅ プロペラや舵が水面近くまで上がり、うまく効かなくなる
- ✅ 水面から上の船体が高くなり、風の影響を受けやすくなる
そこで、船底近くのタンクに海水を入れて、ちょうどよい深さまで船を沈めます。次の港で荷物を積むときには、積んだ分のバラスト水を排出します。
交通船にもバラスト水はある?
前回、ポートサービスの船長に「交通船にもバラスト水は入っている?」と聞いてみたところ、答えは「交通船(小型船舶)はバラスト水ではなく、エンジンやオイルタンクが重りの役割をしている」とのことでした。
船の大きさや種類によって、沈み具合や安定を保つ方法もそれぞれなのですね。

▲「ブルーライト3号」掃除中の一コマ。交通船はエンジンやタンクが重りのかわり。
船と水面との境目に書かれた目印「喫水標」
大型船を見かけたら、船首や船尾のあたりを見てみてください。縦に並んだ数字が描かれていることがあります。
これは「喫水標」と呼ばれる目盛りで、水面にかかっている数字が、その時点の喫水を表しています。
また、多くの船は水面下になる部分が赤などの色で塗り分けられています。荷物が少ないときはその色の部分が広く見え、荷物をたくさん積むと海の中に隠れていきます。

▲出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について
おわりに
前回は「船が倒れないしくみ」、今回は「船がどこまで沈むのか、そしてその沈み具合をどう調整するのか」についてご紹介しました。
船はただ浮いているだけではなく、積んでいる荷物や航行の状態に合わせて、さまざまな工夫がされています。
YouTubeでは、10万トン級コンテナ船のつなとり作業の様子を動画で公開しています。船体の大きさとあわせて、水面との位置関係にも注目してみてください。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。






